日本化学会誌(化学と工業化学)
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一般論文
示差走査熱量測定法(DSC)によるp-ジブロモベンゼン-p-ジヨードベンゼン系の低濃度域における固相線と液相線の推定
野島 秀元
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2000 年 2000 巻 6 号 p. 381-387

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抄録
p-ジブロモベンゼン-p-ジヨードベンゼン混晶系相図の両端の純粋成分近傍での固相線と液相線をDSCにより推定した。温度(t)と融解分率(F)との関係より,平衡分配係数(k0)を求める次式を導いた。k0=F1F2(tA-t0)/F1-F2{1/F2(tA-t2)-1/F1(tA-t1)}ここで,tAは純溶媒の融点で,F1とF2は,それぞれ温度t1とt2に対応する融解分率であり,t0は混晶が融解し終わるF=1での温度,すなわち液相線の温度に相当する。さらに,F=1での液相の組成は試料の初濃度に等しいので,液相と平衡にある固相の組成は,上記の式より得られたk0の値に初濃度を乗じて求めた。上記の方法を相図の両端近くの溶質濃度が0.5-2mass%の3種類の試料に適用し,固相線と液相線を求めた。
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© 2000 The Chemical Society of Japan
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