日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
一般論文
中国産風化炭から抽出したフミン酸およびフルボ酸の特性
山田 パリーダ秋葉 妙子矢沢 勇樹山口 達明
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2002 年 2002 巻 3 号 p. 351-357

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抄録

本論文では,風化炭腐植物質の特性を明らかにすることを目的に産地の異なる3種類の中国産風化炭より国際腐植物質学会(IHSS)推奨の抽出法に従い,フミン酸(HA)およびフルボ酸(FA)を分画し,代表的な草炭腐植物質,土壌腐植物質およびニトロフミン酸との特性比較をした.
 これら抽出HA,FAの赤外線吸収スペクトル,CP/MAS 13C-NMRスペクトルなどについて行った実験結果より以下の知見を得る事ができた.石炭が自然条件下で空気酸化されることにより多くの再生HAが生成される.風化炭HAは草炭および森林土壌HAに比べ芳香族炭素を多く含み,酸性官能基量を多く持っている.風化炭のHA,FAは土壌,草炭のそれに比べ炭水化物炭素の割合が比較的少ない.風化炭FAは土壌,草炭のFAに比べメトキシ炭素の割合が少ない.

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© 2002 The Chemical Society of Japan
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