工業化学雑誌
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分光分析による金属ウランおよび四フッ化ウラン中の微量ホウ素の定量
平野 四蔵鎌田 仁西谷 隆夫
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1959 年 62 巻 5 号 p. 622-625

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抄録
核燃料用金属ウランおよび四フッ化ウラン中の不純物として,ホウ素は約0.2ppm以下なため,従来の分析法では困難な点があると考えられ,更に感度のよい方法について検討した。すなわちウラン試料に,リン酸と2Nフッ酸混合液(1:1)を加えて砂浴上で加熱(この時の液温は約180℃)溶解して,ホウ素をBF4-の形とし,tetraphenyl arsoniumchlorideのクロロホルム溶液を加えてフリマゼ機で30分ふりまぜた後,クロロホルム層を分離,白金蒸発皿に移し,N/10水酸化ナトリウム15滴と水若干量加えて湯浴上で加熱,クロロホルムを蒸発させ,黒鉛粉末(内標準物質として金属イリジウム粉末を10,000:1の割合で混合)0.1g加え乾燥後,分光分析試料とした。このホウ素を抽出した試料を黒鉛電極につめ,露光条件DC280V,15A,60秒(予備放電5A12秒),分散度5.OÅ/mm,乾板KodakSA-1,分析線対BI2497.73Å/IrI2502.98Å なる条件を用いて分光分析により定量した。その結果,目的とする高感度が得られ,定量限界は0.005ppmであり,二,三の試料について定量を行ったところ満足すべき結果を得た。
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