工業化学雑誌
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エチレンの高圧ラジカル重合速度
児玉 信次郎
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1959 年 62 巻 7 号 p. 950-954

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抄録

重合開始剤として,過酸化ジ-t-ブチル(DTBP)および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(ADIB),溶媒として水を用い, 反応圧力300~1700kg/cm2,反応温度110~170℃(DTBP),80~125℃(ADIB)にて, 高圧下でエチレンの重合反応を回分式で行い実験的反応速度式を提示した。すなわち,それぞれ
DTBP:R=1.26×1017exp(-42.1/RT)I0exp(kdθ)P1.9,
kd=3×1016exp(-39/RT);
ADIB:Ri=1.45×10-2I0P0(初期潜伏期)
R=3.7×10-4I0exp(-1.26×10-2θ)P1.8(主反応期)
これより,素反応式を仮定し実験事実に対する考察を行い,ラジカルの失活および停止は,それぞれ1次でなり,また,エチレンの重合速度が1 次分解によって生成するラジカル濃度に比例することを認めた。

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