工業化学雑誌
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レーヨン変性剤としてのアミンの作用(その1)-セルロース・チオウレタン生成の赤外線吸収スペクトルによる研究-
岡島 三郎菊地 哲也
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1961 年 64 巻 1 号 p. 211-213

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抄録
近年,強力人絹の紡糸工程で,ビス凱一一スに変性剤が添加され,それより再生したセルロースが極めて非晶質であることはよく知られている。しかし,この変性剤の作用機構については十分明らかにされていない。
著者らは,ビスコースに添加したジメチルアミンがセルロース・ザンテートと反応してチオウレタン基をつくり,再生後も安定に存在し,これがセルロース結晶性低下に大きく寄与していることを知った。
本報では,セルロース・チオウレタンの生成につき赤外線吸収スペクトルにより得られた知見をのべるが,ジメチルアミンを添加したセルロースには,特に1540,1390,1290cm-1に新らしい吸収が現われることを認めた。そして,この吸収がセルロース・チオウレタンの生成に基づくことを明らかにした。
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