工業化学雑誌
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ポリ酢酸ビニル系固定相による高級脂肪酸メチルエステルの分析
丸山 正生妹尾 節哉
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1961 年 64 巻 5 号 p. 777-780

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抄録

不飽和結合をもつ高級脂肪酸メチルエステルのガスクロマトグラフィーに使用する固定相としてクロトン酸変性ポリ酢酸ビニルを結合剤を兼ねた液相とし,セライト545の粉末を固めて30~40メッシュの大きさの穎粒に造粒したものを用いて分析をおこなった。
この固定相によりC 1 8 の脂肪酸, ステアリン酸, オレイン酸, リノール酸, およびリノレン酸のメチルエステルを完全に分離することができた。相対保持容量はステアリン酸メチルを1とするとそれぞれ1.13,1.36,1.69であり,分離能もポリエステル系のReoplex400などの固定相と対比しうるのみならず,原料は市販品として容易に入手でき,またセライト545は粉末を利用するため高級脂肪酸メチルエステルの分析に広く利用しうるものと考えられる。
この固定相による脂肪酸組成の分析例として,数種の植物油および生体組織中の脂肪酸をメチルエステルとし,ガスクロマトグラフィーをおこなった結果を示した。

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