工業化学雑誌
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ナフタリン誘導体のクロマトグラフ特性
永井 利一船久保 英一
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1961 年 64 巻 5 号 p. 893-898

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抄録

α-メチル-,β-メチル-,1,2-ジメチル-,2,6-ジメチル-等メチルナフタリン類,1-(2',3',4',5'-テトラヒドロフェニル)ナフタリン(HφN),1-フェニルナフタリン(φN),1,1'-ナフチル(BN),1,2-および1,4-ナフトキノン(NQ)について, おもにヘキサン- アルミナ系で吸着等温式を測定し, 先に提案した成長率R g および固有展開比E を求めて,クロマトグラフ特性と化学構造との関係を考察した。
メチル基の導入は,影響が余り現われなかったが,HφN,φN,BNは,いずれも,そのUVスペクトルはナフタリン(N)のそれに近いが,α 位の置換基が,HφN,φN,BNの順に,分子の平面性に関する共鳴構造にかなりの寄与を示すことが, そのスペクトルから認められ, 吸着性も上記の順に増加した。従って, 共役系あ大きさと吸着性との平行衡係が前報同様認められたわけである。NとBNのRgの比は,アルミナ,シリカゲル-ヘキサン系で数倍であった。キノン系では,Rgは更に小さく,NQとNのRgの比は約1/100を示した。

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