工業化学雑誌
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イミダゾリン化合物の腐食抑制効果(その2)
馬場 富雄吉野 努
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1961 年 64 巻 5 号 p. 907-909

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抄録

1-アミノエチル-2-ヘプタデセニルイミダゾリンのマレイン酸塩(1:1.5mol)の軟鋼に対する防食効果は石油系,油脂系溶剤を併用することにより,低添加量のときかなり向上した。これを用いて各種腐食環境における防食効果を検討した結果,淡水中では高温度あるいは流水中でも効果を示したが,塩水,酸性水中ではほとんど効果はみとめられなかった。黄銅に対しては腐食性はきわめて少なく,またアルミニウムに対してはよい防食効果を示した。
次に,該イミダゾリンのオレイン酸塩の防錆油添加剤としての性能を検討した結果,オレイン酸1~2molの場合,4%添加した防錆油は塩水浸漬および湿潤箱試験の結果,いずれも優に規格を超える成績を示したが,石油スルホン酸塩との配合効果はみとめられなかった。またポーラロ法による防錆力の評価も湿潤箱試験結果とよい相関性を示した。

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