工業化学雑誌
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クリスタライザーを用いる微量のマンガンおよびコバルト塩を添加したショ糖晶出に関する研究
鈴木 恪雄
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1961 年 64 巻 5 号 p. 910-912

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抄録

糖液に微量のマンガンおよびコバルト塩を添加することは,ショ糖の晶出および煎糖に有効なことを認めたので,特に製作したクリスタライザーで低級の白下および糖蜜を本法により処理して,ショ糖晶出実験を行なった。これらの塩類の添加量は硫酸塩結晶としての等量混合物が10-2~10-4%であった。それは予備的実験で10-2~10-6% についての結果は10-4,10-5%が最もよい成績であったからである。その実験の結果本法による方が砂糖製品の収量が多く還元糖の含量はその平均値が小さく,製品の色は判別やや困難であるが,その溶液を比較してみると本法による方法が淡い。これらの事実は既報の良質の糖液や糖蜜についての研究結果と一致する。また実験で得られた結晶分難蜜の粘度をヘプラー粘度計で測定したところ,本法による方が大部分低い値を示した。

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