ジピコリン酸を原料とする数種のポリアミドの合成を試みた。
重合方法としては,界面重縮合および加熱重合の両法を検討したが,それらの方法のうち,シピコリン酸ジフェニルエステルとジアミンから脱フェノール反応による重合法によってのみ高重合度のポリマーをうることができた。この重合法を用い,一般式H2N(CH2)nNH2(ただしここでn=2,4,5,6,7および9)で表わされるジアミン,およびm-キシリレンジアミンからポリアミドを合成した。これらポリアミドのうちエチレンジアミンを原料とするものを除いては,すべて優れた可紡性を示した。これらのポリアミドについて融点,比重の関係を調べた。また各種溶媒に対する溶解性を調べた結果,この中幾種かのポリアミドは,クロロホルム単独あるいは四塩化炭素-メタノール混合溶媒等に溶けることが知られた。さらに,ヘキサメチレンジアミンまたはm-キシリレンジアミンを原料とするポリアミドについては,溶融紡糸を試み,えられた繊維については延伸条件,復屈折率,吸湿性等の測定を行なった。
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