工業化学雑誌
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キノリン環を含むポリアミドの合成
新井 秀男竹田 侑弘広岡 誠村田 二郎
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1962 年 65 巻 5 号 p. 664-666

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抄録

メチルビニルケトンとアントラニル酸から得られるキノリン-4,8-ジカルボン酸ジメチルエステル(I)を原料にして,主鎖中にキノリン環を含むポリアミドを合成した。(I)とヘキサメチレンジアミン(II)とをメタノール中で加熱してプレポリマーをつくり,さらに減圧下に加熱して重縮合を進め,mp175~185℃のポリアミドを得た。このものの溶融曳糸性はよいが,曳糸したものは折れ易く低温延伸性も少ない。しかし,(I)およびアジピン酸ジメチルエステルと(II)との共重縮合で得られたコポリアミドは(I)が20~10mol%の場合,mp228~243℃で溶融曳糸性がよく,曳糸したものの見かけ上の強度,低温延伸性もよい。また,耐溶剤性はナイロン66とほとんど同じである。

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