1個のモノマー単位中に2個の芳香環を含むジカルボン酸のポリ酸無水物を合成する目的で,2,2-ビス-(4-カルボキシフェニル)-プロパンを合成し,その重縮合によって高融点の可紡性重合体を合成した。さらにエチレングリコール-1,2-(4-カルボキシフェニルエーテル)-ジアセテートを合成し,これから得られるポリエーテルポリ酸無水物と各種重合体の性状を比較検討した。
アセトンとアニリンの縮合生成物のSandmeyer反応によって得られる2,2-ビス-(4-カルボキシフェニル)プロパンのポリ酸無水物はmp238~240℃,軟化点140℃の曳糸性のある結晶性重合体であって2,2-ビス-(4-オキシフェニル)プロパンのポリカーポネートに対応する骨格構造を有する。またエチレングリコール-1,2-(4-カルボキシフェニルエーテル)のポリ酸無水物としてmp215℃,軟化点108℃の可紡性重合体を合成した。
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