工業化学雑誌
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トリオキサンの触媒カチオン重合
岡村 誠三東村 敏延富川 昌也
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1962 年 65 巻 5 号 p. 712-716

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抄録

BF3・O(C2H5)2を触媒としてトリオキサンの溶液および固相でのカチオン重合の動力学的研究を行なった。溶液重合では溶媒の誘電率が増加すると,重合速度も生成ポリマーの分子量も増加し,普通のカチオン重合と類似の挙動を示した。しかし重合速度が触媒濃度のほぼ0.5乗に比例すること,ポリマーの分子量が重合の進行に伴なって増加することなど異常な現象が認められた。トリオキサンは固体結晶のままでかなりの速度で重合し,高分子量のポリマーが得られる。しかもこの場合,適当な条件では生成ポリマーは一定の配向を有することがX線図より認められた。以上の結果に基づいて反応機構を議論した。

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