工業化学雑誌
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黒色火薬中における榛焼成物の役割
大谷 杉郎桜井 博奥 昭藤井 純古達 敏子
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1962 年 65 巻 5 号 p. 759-765

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抄録

この報告は,黒色火薬中の炭素質物質の作用を明らかにすることを目的とした。最初に榛焼成物の構造や性質が,その焼成温度によっていかに影響されるかを250~700℃間の温度範囲について検討した。次に, これらの結果と,KNO3-焼成物混合物および黒色火薬の示す挙動との関係を求めた。得られた結果から,今回の実験条件の下では,黒色火薬中の炭素質物質に要求される基本的な因子は,焼成物の骨格構造に基づく次の3つの性質,すなわち空気中の酸化分解のうけやすさ,KNO2生成能力,熱源としての役割であると推論した。

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