1962 年 65 巻 5 号 p. 765-768
内熱式電気溶融法によって雲母を製造するさいには,従来は発熱体を有する1組の炭素電極に通電して行なわれてきたが,当研究では発熱体を有する1組の予備電極と枝を有する1組の通電用電極によって行なった。つまり以上の2組の電極を雲母原料にておおい,予備電極に通電して発熱体を発熱させて雲母溶融体をつくり,これが落下して予め加電してある1組の通電用電極の枝の間に入って通電用電極間に通電するようになる。
原料の代りに雲母結晶粉末を用い,通電用電極の電力を降下して徐冷したが未溶融の雲母粉末は種結晶の作用をなさなかった。次に通電用電極の側面および下部に加熱体をおき,下部および通電用電極の電力を一定に保ち,側面加熱体の電力を降下させて5℃/hr以下にて徐冷した。未溶融結晶は種結晶として作用し幾分の成長を見たが大部分は各種の配向を有する結晶塊であった。更に好結果をうるには,徐冷速度をもっとおそくすることおよび炉内の等温面を水平にする必要がある。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。