工業化学雑誌
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銅酸化物の電解還元
二宮 清長谷場 哲子
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1962 年 65 巻 5 号 p. 768

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抄録

亜酸化銅-カセイソーダペーストを真鍮板に塗布,乾燥し,これをカセイソーダ電解液中で陰極還元するときは,真鍮板上に密着した平滑な銅皮膜を得ることができる。この電解機構を検討するために,ペースト乾燥時における亜酸化銅の酸化および電解によって生成する亜酸化銅,これに包含される微粒銅,銅皮膜量などをそれぞれ定量した。
電解の進行にしたがって析出する銅皮膜生成の電流効率は電気量の増加とともに対数曲線的に減少し,ペーストに生ずる亜酸化銅および微粒銅は著しく増大する傾向を認めた。また本法により得られた銅皮膜の平均厚さは10-2~10-3mmであった。これは酸化銅の還元の際に生成する水により,真鍮板とペースト層の間に間隙を生じ,還元した銅がペースト中に包含され,さらにペースト層とともに電極から脱落するためであると推論した。

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