工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
β-ナフタリンスルホン酸とホルムアルデヒドとの初期縮合(2核体生成)の反応速度
服部 健一大田 明前田 洋
著者情報
ジャーナル フリー

1964 年 67 巻 9 号 p. 1401-1408

詳細
抄録

酸触媒(硫酸)存在下におけるβ-ナフタリンスルホン酸の2核体生成反応について,ホルムアルデヒドの消費量を測定して本反応の全速度式を求めた。またあわせて両者の活性化エネルギーを測定した。その結果,全速度式は次式に従うことがわかった。
無触媒の場合v0=k0[β-ナフタリンスルポン酸][ホルムアルデヒド][H+]1~2
酸触媒の場合v1=k1[β-ナフタリンスルポン酸][ホルムアルデヒド][H2SO4]0~1
すなわち本反応は[H+]の大小によって反応次数が変化することがわかった。また活性化エネルギーは酸触媒存在下では29.2kcal/mol,無触媒下では25.5kcal/molで前者の方が大きかった。なお律速段階は,未解離のβ-ナフタリンスルホン酸へのメチロールカチオンの攻撃反応にあることを推論し,[H+]の反応次数の変化を説明した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top