1965 年 68 巻 10 号 p. 1822-1827
V2O5-MoO3-P2O5(Alスポンジ担持) 触媒によるメタクロレイン(MA)のアンモオキシデーションについて, 接触合成の基礎的な諸事項(触媒成分の配合比,担体に対する触媒付着比,反応温度,原料供給比,供給速度,および触媒層の温度分布等)を検討した。その結果,メタクリロニトリル(MAN)収量への最も支配的な反応要因は,反応温度とNH3供給比であり,反応温度450℃,供給モル比MA:空気:NH3:水蒸気=1:30:9.2:24,供給ガス空間速度3100hr-1の条件で,MAN生成率67%(MA変化率100%)を得た。また,この触媒のMAN生成活性は50時間の反応使用にも全然低下を認めなかった。
空気を供給しない場合にも,MANの生成は認められたが,触媒活性は反応時間とともに急低下した。
また, MAおよびMANの高温空気による被酸化性を触媒共存系および無触媒系で調べ, MANはM A よりもかなり安定であることを認めた。これらの結果から,メタクロレインのアンモオキシデーション系内での副反応として,酸化分解がNH3,MA,MANの大きさの順で起こっているものと推論した。
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