工業化学雑誌
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焼成法ポリメタリン酸カリウムの曳糸性および粘性に関するアルカリ土類の影響
安藤 淳平松野 清一小笠原 安弘金城 巌
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1965 年 68 巻 10 号 p. 1846-1851

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抄録

抄紙助剤としての曳糸性の良いポリメタリン酸カリウムを焼成法で製造するために,少量のアルカリ土類の添加が効果的であることを認め,これに関して研究を行なった。リン酸一カリウムにリン酸一マグネシウムやリン酸-カルシウムのようなアルカリ土類リン酸塩を1~5%程度添加し,730℃ に30分程度焼成すれば,溶融徐冷法による製品に近い曳糸性,粘性を持つポリメタリン酸カリウムが得られる。
アルカリ土類の効果は,融点を下げ,焼結を促進して結晶粒子が繊維軸方向に発達することを助けるとともに,アルカリ土類金属がリン酸の連鎖同志をむすびつける架橋的作用をすることによるものと思われる。溶融徐冷法で製造する場合は,アルカリ土類塩を加えても偏析を起こすので効果はなかった。軟化溶融温度を低下させる効果はMg>Ca>Sr>Baの順であった。

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