工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
タンタルの融解塩電解精製
中川 一兵桐原 朝夫
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 68 巻 10 号 p. 1854-1857

詳細
抄録

還元法,電解法でえられるタンタルの粗金属を電解精製により高純度タンタルを製造する目的で本研究を行なった。
その製造法は,アルカリハライドの融解塩中で粗金属を可溶性陽極に用い,この粗金属と塩化タンタル(V)の反応で生成する低次塩を原料とする電解精製法である。
電解精製における製造条件について,最適範囲を求めると,(1)温度:800~850℃,(2)投入TaCl5の濃度:2%(wt%)以下,(3)陰極対陽極の面積比:1/8以下,(4)陽極電流密度:5mA/cm2以下,(5)陰極電流密度:20mA/cm2 以上となった。最適条件下で電解精製したタンタル中の不純物( 金属成分) の分離は良好であり, 高純度(99.9%以上)の金属が得られた。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top