工業化学雑誌
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ルツボ降下法によって劈開面に垂直方向へ育成したフッ素金雲母結晶の性質
楯 功大門 信利
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1965 年 68 巻 10 号 p. 1858-1861

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抄録

先報では,羽子板型白金ルッポの下部に種結晶,上部に原料を充填し,種結晶の一部と原料を溶融してルツボを降下させ,フッ素金雲母結晶の劈開面に垂直な方向ヘブック状結晶を育成させる条件を報告した。当報告では(1)開き角45°,ルツボ降下速度0.1mm/hr,(2)開き角30°,ルツボ降下速度0.4mm/hr,温度勾配は共に15℃/cmの条件で劈開面に垂直方向へ育成したブック状結晶の光学的性質とa軸の方位を測定し,HFガスによってetchした劈開面の観察の結果,次のことを明らかにした。
(1)得られた結晶は種結晶の光軸角の大小にかかわりなく,1M型(単層単斜晶系)に属する単結晶であると考えられる。(2)育成初期は局部的に結晶の転位の密度が大であるが,育成が進むに従って減少していた。(3)ルッボ降下速度が早いものほどHFガスによるetch pitの成長速度も早い。

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