工業化学雑誌
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非分散型紫外線ガス分析計の試作およびその有害ガス・蒸気分析への応用
鴻巣 久雄益子 洋一郎
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1965 年 68 巻 10 号 p. 1868-1872

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抄録

空気中の有害ガスおよび蒸気の濃度測定を行なうために非分散型紫外線ガス分析計を試作した。本分析計は標準ガスと試料ガスとの紫外吸収の差異を全波長領域について一度に測定する装置である。光源は水素放電管を用い,光学系は複光路方式で,ガスセルは長さ50cm,受光管は2次電子増倍管を使用した。本分析計により6種の試料を測定し,検量線を作成した。試料およびその検出限度(ppm)は二酸化イオウ3,二硫化炭素28,ベンゼン27,アセトン32,メチルエチルケトン3 4 , トリクロルエチレン1 3 である。相対誤差は二酸化イオウの場合100ppm以下では±9.0%,100~1000ppmでは±4.0%,1000~1250ppmでは±1.5%であった。本法によれば測定値は1 分以内で得られ, 操作も簡単であるから,本分析計は労働環境などにおける有害ガス・蒸気の定量および爆発下限界の測定にも適用し得る。

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