工業化学雑誌
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二塩基酸とグリコール類とのエステル化反応速度
須本 操長谷川 幸教
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1965 年 68 巻 10 号 p. 1900-1906

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抄録

二塩基酸とグリコール類とから,直接ポリエステルを合成する場合の,とくに反応初期における動力学的研究を行ない,反応機構について考察を行なった。反応はすべて密閉系で行ない,カルボキシル基に対する水酸基のモル比OH/COOH(G)を0.44~8.0とし,130~235℃の温度範囲で実験した。
反応の経過は未反応カルボキシル基を定量することによって求めた。
その結果,カルボキシル基の解離によって生成したH+が触媒として作用するとしたときの,2.5次の可逆反応速度式によく適合し,Floryらによって指摘された反応初期における動力学的次数の増加は認められなかった。強酸触媒の存在する場合は2次式によく適合した。速度定数はGの増大につれて減少し,そして触媒濃度の1乗に比例することが見出された。グリコールのメチレン基およびカルボン酸の酸強度の増加は速度定数の増加をもたらす。

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