工業化学雑誌
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3, 3'-ジベンゾアントロニルの合成
永井 芳男長沢 孝太郎
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1965 年 68 巻 10 号 p. 1906-1909

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抄録

ビオラントロン(III)は重要な建染染料, および染料中間体であり, また有機半導体研究の素材の一つとして, しばしばとりあげられている。著者らは,3,3'-ジベンゾアントロニル(II)を常圧または窒素気流中減圧下, 加熱融解することによって, 純粋なビオラントロンをほとんど定量的に生成することを見出した。しかしながら, 原料の3 , 3' - ジベンゾアントロニルの従来の合成法によっては, その収率は高くはない。著者らは, 硫酸- ポリリン酸混合溶媒中で二酸化マンガンによりベンゾアントロン(I)を酸化し, 3,3'-ジベンゾアントロニルを高収率( 対理論収率85.7%)で合成しえた。また, 一般に酸性溶媒中, 酸化剤によりベンゾアントロンを酸化し, 3 , 3'-ジベンゾアントロニルを生成する際, 副生する, その酸化生成物についても検討し, これをカセイカリ融解して木綿布をあかるい灰青色に染める染料をえた。

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