工業化学雑誌
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アリールアゾ基を有するビス(サリチルアルデヒド)-アリレンジイミン金属錯塩染料
木村 光雄醍醐 博黒木 宣彦小西 謙三
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1965 年 68 巻 10 号 p. 1915-1918

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抄録

ビス(サリチルアルデヒド)-o-フェニレンジイミン金属錯塩およびビス(サリチルアルデヒド)-1.8-ナフチレンジイミン金属錯塩(いずれも金属は銅またはニッケル)にアリールアゾ基を導入し,三環型金属錯塩染料としての適用性を検討するため, アミラン(6-ナイロン)および, ビニロンを染色し, その色調, 染着性, 鮮明度, 堅ロウ度などを調べた。1,2,4-(NH2)(R1)(R2)C6H3[R1=H,NO2, R2=COOH,NO2]をジアゾ化し, サリチルアルデヒドにカップリングせしめ, アゾ化合物を合成し, これをo-フェニレンジアミン, 3,4-ジアミノ安息香酸および1.8-ナフチレンジアミンに縮合せしめた。また, p-アミノ安息香酸をジアゾ化し,1.8-ナフチレンジアミンにカップリングせしめ, これをサリチルアルデヒドおよび5-ブロムサリチルアルデヒドに縮合せしめた。さらにこれらの縮合化合物を金属塩と処理して金属錯塩化した(縮合化合物と金属の比は1:1)。そして分散染色法でアミランおよびビニロンを染色した。染色布の色調はいずれも赤味黄ないしだいだい色,または紫色であり,アミランに対する染着性は特にすぐれていた。各種堅ロウ度試験結果は日光5~6級,洗たく(汚染,変退色共)4級,摩擦4級程度以上のものが多く,これらの染色結果は既知の1:2型金属錯塩染料の場合および既報のサリチルアルドオキシム系,サリチリデンアニリン系の金属錯塩染料の場合と同等程度であった。

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