工業化学雑誌
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アゾール環を有するクマリン型ケイ光増白染料
丸山 雄士腰本 晋輔黒木 宣彦小西 謙三
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1965 年 68 巻 10 号 p. 1919-1923

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抄録

3-位のフェニル基を通して共役するアゾール環(ベンズイミダゾール, チアゾール, オキサゾールおよびナフトリアゾール) を有するクマリン誘導体を合成した。これらの化合物は可視部にケイ光を示し, ジメチルホルムアミド中のケイ光強度は1×10-5mol/lで比較してトリアゾール> チアゾール>オキサゾール>イミダゾールの順であり, 極大波長は強度度の大きいものの方が短波長側にある。これらの化合物を用いて各種合成繊維( アセテート, ビニロン, アミラン, テトロンおよびポリプロピレン) を増白し, その増白効果およびこれら増白布をカーボンアーク灯退色試験機中で照射し, そのケイ光強度の低下を測定することによって耐光性を試験した。3-(p-(ベンズイミダゾリル-(2))-フェニル)-クマリンおよび5 , 6-ベンゾクマリンのアゾール誘導体は, 繊維上でそのケイ光が長波長側に移り, 増白効果は十分でない。しかしベンズチアゾール, ベンズオキサゾールおよび1,2-ナフトトリアゾール環と共役するクマリン誘導体は, アミランおよびテトロンに対して良好な増白効果を示す。これらの耐光性はアミラン上では劣るが, テトロン上では比較的良好な結果が得られた。

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