工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
ピペラジン環を含むポリアミドおよびポリ尿素の合成
須本 操磯崎 哲正
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 68 巻 10 号 p. 1989-1994

詳細
抄録

高分子原料としてピペラジンを利用し,しかも溶解性に富み,高結晶性,高融点の高分子化合物をつくる目的で,ピペラジン環を含む各種二塩基酸エステルを合成し,それとジアミン類とを反応させることによって,ポリアミドおよびポリ尿素を合成した。
反応はプレポリマーを合成する第1段階と,高重縮合体を合成する第2段階とに分けて行ない,溶媒,触媒の存在する場合についても研究した。
得られたポリアミドの多くは,メタノール,エタノール等のアルコール類,四塩化エタン,酢酸および水(酸性)に溶解した。耐熱性はそれぞれ良好でないが, ピペラジン- N , N' -ジプロピオン酸ジメチル, ピペラジン- N , N ' -ジ炭酸ジフェニル等は各種ジアミンと反応して,容易に高融点,高結晶性のポリアミドおよびポリ尿素を与えた。ポリアミドに比べポリ尿素の方は,溶解性は劣るが,耐熱性はまさった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top