工業化学雑誌
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ポリビニルアルコールを含む臭化銀ゾルと界面活性剤の相互作用
杉浦 正昭
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1966 年 69 巻 11 号 p. 2056-2059

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抄録

希薄なボリビニルアルコール(PVA) 溶液に, 硝酸銀と臭化カリウムより生成した臭化銀ゾル( 臭化カリウム過剰) を混合し,さらに種々の濃度の界面活性剤( 陽イオン, 陰イオン) を加えて, 凝集沈降を起こさない条件でこれらのゾルの電気泳動および濁度の測定を行なった。陽イオン活性剤を添加した場合,活性剤濃度の増大と共にゾル粒子の負のζ電位はしだいに低下し,そして正の電位に逆転するが,ある活性剤濃度以上で急激に正の電位を上昇する。濁度はζ電位0付近の活性剤濃度において最大値をとるが,正の電位が急激に上昇する濃度においても再び濁度の上昇が認められた。陽イオン活性剤を含むPVA溶液の電気泳動および粘度測定では,PVAに対する活性剤の吸着は認められない。陰イオン活性剤を添加した場合は,ゾルの電気泳動,濁度の測定値にほとんど変化を与えない。しかし多量に添加した場合,PVA溶液の電気泳動,粘度測定から,活性剤がPVAに吸着する傾向が認められた。

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