工業化学雑誌
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メタクロレインの液相酸素酸化における溶媒の検討
浅尾 戍
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1966 年 69 巻 11 号 p. 2125-2129

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抄録

メタクロレインの常圧液相酸素酸化反応(Mn,Hg,Ag塩触媒使用)において,溶媒の種類が反応の速さおよび選択性に与える影響を調べた。溶媒の性質と誘導期および反応の速さの間に相関性は見出されなかったが,溶媒の誘電率とメタクリル酸選択率の間には次のような相関関係が見出だされた。すなわち誘電率の小さいn- ヘプタン, シクロヘキサン等の炭化水素類, および誘電率の大きいアセトニトリル, アルコール類等は比較的高いメタクリル酸選択率を与えたが, 誘電率が中位の酢酸等は低いメタクリル酸選択率を与えた。しかし,いずれの場合においても,メタクリル酸選択率は,メタクロレイン変化率20~40%において,常に60 % 以下であった。

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