1966 年 69 巻 11 号 p. 2189-2194
塩化チタン(III)-ナトリウム-水素系のプロピレン重合触媒を,2種の異なるオートクレーブを使用して合成した。一つは普通のふりまぜ式オートクレーブであり,他は小さな鋼球を入れたふりまぜ式オートクレーブである。そしてこれら2種の装置での実験結果は非常に異なっていた。鋼球による磨砕作用によって低温で合成することのでぎた触媒の方が,触媒活性,得られたポリマーの立体特異性ともに優れていた。つぎに触媒成分の塩化チタン(III) , ナトリウム, 水素のそれぞれについて検討したが, 塩化チタン(III)については,塩化チタン(IV)をアルミニウムで還元して製造した塩化チタン(III)と,水素で還元して製造した塩化チタン(III)とは,活性が非常に異なっていること,アルミニウム還元の塩化チタン(III)の場合は活性な触媒を与えるのに反して,水素還元の塩化チタン(III)の場合は,弱い活性の触媒しか与えないことを知った。
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