1966 年 69 巻 9 号 p. 1693-1698
水素化アルミニウム錯体の標準生成エンタルピーを求める目的で自動温度記録式の断熱熱量計を試作した。熱量計の正確度を判定するために,試作した熱量計を用いてマグネシウムを塩酸で処理したときの反応熱を測定し,従来報告されている文献値とほとんど等しい値を得,水素化アルミニウム錯体の標準生成エンタルピーを測定するのに十分な正確度を有することを確かめた。水素化アルミニウム錯体としてまずリチウムアルミニウム水素化物を選び,これを塩酸で加水分解したときの反応熱を測定し,25℃における標準生成エンタルピーとして-28.0kcal/molなる値を得た。またリチウムアルミニウム水素化物の常温における熱安定性について考察した。
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