工業化学雑誌
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塩酸溶解法による各種半水セッコウの水和熱
関谷 道雄瀬戸山 克巳
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1966 年 69 巻 9 号 p. 1698-1700

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抄録

本研究は水和熱の精密測定を通じて半水セッコウの変種について検索したものである。水和熱の測定は塩酸溶解法により,JISR5203のセメントの水和熱測定法に準拠して,試製高精度カロリメーターを用いておこなった。試料には現在まで既知の諸方法にもとづく条件で調製した5種の半水セッコウを供試した。
その結果β型半水セッコウの水和熱は4800cal/molであったのに対し,α型ではほぼ4100~4200cal/mol前後であるが,純水を媒液として用いたものは4450cal/molと高く,一般にいわゆるα型に属するものの中にも水和熱の相違が認められ,2~3種の安定性の異なる相の存在する可能性を認めた。それらはほぼマクロ的な結晶性に関連することも考えられた。

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