工業化学雑誌
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太陽炉による金属酸化物の凝固点の測定
野口 哲男水野 正雄小塚 健
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1966 年 69 巻 9 号 p. 1705-1709

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抄録

太陽炉を用いその焦点で金属酸化物を加熱溶融し,熱平衡に達せしめた後放物面反射鏡への入射光を急速にしゃ断して試料を急冷し,輝度温度計により冷却曲線を求めてこれより凝固点の輝度温度を求めた。次いで試料の0.65μにおける分光反射率を測定してこれより分光放射率を算出し,これと輝度温度とより凝固点の真温度を求める方法について述べた。
酸化ジルコニウム(ZrO2),酸化ハフニウム(HfO2),酸化アルミニウム(Al2O3)の凝固点としては,それぞれ2979±20°K,3026±20°K,および2322±15°Kがえられ,それらの凝固点における規則反射面の分光放射率は0.81,0.91,および0.96であった。CaOの冷却曲線においては沸点に該当する点で発熱現象が認められたが,この点については分光放射率がえられないので輝度温度で示した。
なお15種類のランタニド属金属酸化物の凝固点の測定結果も併せて述べた。これらの酸化物の凝固点はほとんど2500°K以上であった。

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