1966 年 69 巻 9 号 p. 1710-1715
バリウムアルミナ耐火セメントの主要構成化合物であるBaAl2O4について,水和時の発熱量,水和硬化物の加熱時の変化および機械的強度の変化などについて調べ,バリウムアルミナセメントを使用する際に有効ないくつかの知見を得た。伝導熱量計による水和時の発熱過程より水和の機構を推定し,水和熱の測定より水和物の転移を確認した。BaAl2O4の水和硬化物の熱天秤試験より示差熱分析でみられる吸熱は,すべて水和水の脱水にあることを確かめ,示差熱分析の吸熱温度に対応する温度における高温X線回折およびその温度に加熱した試料の顕微鏡観察,制限視野電子線回折より加熱時の構造変化を追跡し,加熱に伴うBaAl2O4水和生成物の構造変化と機械的強度との関係を明らかにした。
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