1966 年 69 巻 9 号 p. 1767-1770
繊維状およびフィルム状ポリマーの比熱を精密に測定する目的で試料部の改造を試みた。試料部は中心に加熱ヒーターをおき,その上から試料を巻きつけた石英ボビンをかぶせる構造とした。試料部全体の熱容量をわずか0.3cal/deg程度におさえたため,熱平衡到達時間の短縮化と温度分布の均一化が向上し,500mg程度の少量試料10~100mW程度の微少供給電力による測定においても十分高い検出力と測定時間の短縮化をはかることができた。
測定値の再現性はポリエチレンフィルムについて検討した結果条件を変えた測定においても1%以内の誤差範囲におさえることができた。巻き付けによる方法は試料の定長下における測定を可能にし6-ナイロン,ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレンなどの各繊維の定長比熱を求め,その変化について考察を加えた。
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