工業化学雑誌
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示差熱分析によるポリ塩化ビニルの融点測定
渡辺 良文近藤 嘉男飯田 栄一
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1966 年 69 巻 9 号 p. 1781-1784

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抄録

種々の重合度のポリ塩化ビニル(PVC)について示差熱測定を行なった。昇温速度10℃/minの示差熱分析(DTA)曲線によると,210℃より250℃の間に吸熱ピークがみられた。
この吸熱ピーク温度(Tm)と重合度(P)との間には直線関係があり,次の実験式が得られた。Tm=196.5+0.0385P
希釈剤としてDOPを混合することにより,ピーク温度は低下し,またPVCを塩素化することによってもピーク温度は低下した。熱処理を行なうと,吸熱ピークは2カ所に現われ,高温側のピークの位置は上記のピーク温度より数℃高く,低温側のピークの位置は熱処理温度に大きく依存した。以上の事実より,これらの吸熱ピークはPVCの結晶の融解によるものであると判断した。

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