工業化学雑誌
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石炭類の細孔分布と内部表面積
浦野 紘平水沢 博士清浦 雷作
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1970 年 73 巻 9 号 p. 1915-1920

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抄録

亜炭から半無煙炭までを含む日本炭18種類とホンゲイ無煙炭および低温乾留炭2種類について,細孔の容積分布曲線を第1報で述べた「メタノール吸着等温線による細孔分布測定法」で求め,炭化度との関係や内部表面積の値を検討した。
亜炭には比較的大きな細孔をもつものもあり,無煙炭は微小孔が多いが,その他はほぼ同じ型の分布曲線を与え,低炭化度炭の細孔容積が大きかった。一般に石炭類の細孔の大部分は半径40Å 以下で,10から20Å の細孔が最も多いことがわかった。低温乾留炭もほぼ同様であった。
したがって,石炭類の細孔はすべてがDubininのいうミクロ孔ではないが,ミクロ孔も相当あり,従来の研究のように単分子吸着量や湿潤熱を用いて求められる吸着内部表面積は細孔の物理的表面積の約2/3となることがわかった。また,Dubinin-Polanyi式によって求めたミクロ孔限界容積値に炭酸ガス吸着によって求められたその値と良く一致し,半径約11Å 以下の細孔の容積に相当した。

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