工業化学雑誌
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塩化ホスホニトリル三量体のジオールによる塩素置換反応と反応物の重合体について
梶原 鳴雪斎藤 肇
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1970 年 73 巻 9 号 p. 1954-1959

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抄録

塩化ホスホニトリル三量体(以下(PNCl2)3と略記)のp,p'-ビフェノール(以下PBPと略記)による塩素置換反応を(PNCl2)3の融液,アセトン,THF,アセトニトリルおよびオキサン溶媒中で,PBP対(PNCl2)3のモル比6の条件で反応させた。その結果,これらの条件下では,塩素を含まない置換体は生成されなかった。またPBPおよびo,o'ビフェノール(以下OBPと略記)をナトリウムフェノラートとし反応させ,えられた生成物を化学分析によってしらべた結果,PBPおよびOBPからそれぞれ,P3N3[C6H5・C6H5(O)OH]6,分子量1,400,mp=296℃(I),P3N3[C6H5・C6H5(O)2]3,分子量700,mp>310℃(II)の生成物をえた。(I)および(II)を300℃の温度で8時間加熱重合した結果,樹脂状の重合体をえた。この重合体の性質をしらべた結果,これらの重合体は耐熱性および耐水性の良好な重合体であることがわかった。

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