工業化学雑誌
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テトラフェニルホウ素ナトリウム錯塩-紫外吸光光度法によるポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の定量
笠井 幸郎矢野 弥木村 和三郎
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1970 年 73 巻 9 号 p. 1971-1973

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抄録

ポリオキシエチレン(POE)系非イオン界面活性剤の絶対濃度とエチレンオキシド(EO)含量定量のための新分析法“テトラフェニルホウ素ナトリウム錯塩-UV吸光光度法”を創案した。すなわち検体POE系非イオン界面活性剤酸性溶液中,バリウムイオン共存下に過剰のテトラフェニルホウ素ナトリウムを加えて非イオン界面活性剤・バリウム・テトラフェニルホウ素錯塩を生成ンせしめ,錯塩をロ過,乾燥後精秤し,その一定量を秤取して,アセトニトリル-水7:3(v/v)溶液で定容ビン中100mlに溶解し,この液のλmax267,275mμ(テトラフェニルホウ素に基く吸収)における吸光度を測定して,錯塩中のバリウム・テトラフェニルホウ素を定量し,これと錯塩沈殿重量とより検体非イオン界面活性剤絶対濃度を定量する。本法を各種非イオン界面活性剤(POEラウリルエーテルP=10.7~31.1;PluronicL62,L64,F68,L44,L84)の分析に適用し良好な結果を得た。また前報において報告した“テトラフェニルホウ素ナトリウム錯塩-逆滴定法”に比べ少量の試料(10mg程度)まで正確に定量できることを認めた。

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