1970 年 73 巻 9 号 p. 2037-2040
St-MAn系溶液共重合反応における生成重合鎖の鎖端構造を,14C-AIBNを用いたトレーサ法および塩素原子の(n,γ)反応を利用した放射化分析により確認して,重合の開始,停止,移動の各素反応を議論した。アセトン,四塩化炭素中で重合した連鎖の末端基30~90当り1個の割合で開始剤切片が導入され,開始剤の分解量より予想される導入率とほぼ一致することを確認し,四塩化炭素中の重合で得た共重合体鎖12~15当り1個の割合で塩素原子が導入されていることが明らかにされた。
結局,この系は開始剤ラジカルの直接モノマー付加により開始されるが,四塩化炭素への連鎖移動があまり起らず,専らMAnまたはSt-MAnの電荷移動型錯体へ連鎖移動して行く動力学的鎖長の大きい共低重合系であることが明らかにされた。
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