1939 年 60 巻 10 号 p. 945-948
1) 晒粉を炭酸曹達と處理して得たる0.1N次亞鹽素酸曹達溶液は黒紙を以て遮光せる壜に貯ふればよく保存せられ,鹽素定量標準液として次亞鹽素酸カルシウム溶液に優れり(1年後の變化0.2-0.7%),但炭酸曹達の大過剩は之を避くべし.
2) モリブデン酸アンモニウム25g/l,硝酸5N,硝酸アンモニウム3Nなる試藥は最よく保存に耐へ, 3年以上保存するも沈澱を生ぜず,且多量の硝酸アンモニウムを含むを以て,之を含まざるモリブデン酸アンモニウム試藥に比し燐酸に對する反應鋭敏なり.
3) 沃素定量指示藥として可熔性澱粉溶液を保存するには沃化第二水銀,二硫化炭素,鹽酸或はサルチル酸の少量を添加すべし.斯くして保存せるものは10ケ月以上にわたりて沃素反應に變化を生ぜず,沃化加里,鹽化亞鉛及び沃化亞鉛は之に次ぎて良好なる保存作用あり.
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