日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
Print ISSN : 0369-4208
バルビツル酸誘導體に關する研究(第十二報)
5-メチルチオバルビツル酸及び4-イミノ-5-メチルチオバルビツル酸に於ける4位置のオキソ基及びイミノ基の比較
西川 武一
著者情報
ジャーナル フリー

1940 年 61 巻 7 号 p. 701-702

詳細
抄録

オキソ基(或はオキシ基)とイミノ基(或はアミノ基)とは性質が類似してゐるから5-メチルチオバルビツル酸と4-イミノ-5-メチルチオバルビツル酸とは類似してゐる.既ち何れも酸で,水に溶け難くアルカリによく溶け,結晶水を有するナトリウム鹽を生ずる.ナトリウム鹽に有機沃素化合物を作用させると2-メルカプト化合物が出來る. 2-メルカプト化合物も酸性を示しアルカリに溶ける.最もよく類似せる點はナトリウム鹽が水1分子結合せる形で存在することである.一方鹽基性はイミノ基がオキソ基より強く-M effect又は-I effectはオキソ基の方が強いため相違點が現はれる. 4-オキソ化合物は4-イミノ化合物より酸性強く4-オキソ化合物はヂスルフィドを作る.又銅錯鹽に於て種々の相違點あり殊に著しいのは4-オキソ化合物の銅錯鹽は異常原子價の銅の化合物を作ることが出來る點である.

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top