日本化學會誌
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海洋に關する化學的研究(第八報)
多量の鹽化物と共存する鹽素酸鹽及び過鹽素酸鹽の定量法に就て
石橋 雅義原田 保男
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1941 年 62 巻 1 号 p. 38-43

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抄録

1. 海水及び類似水溶液を直接電解酸化せる時生成する鹽素酸イオン及び過鹽素酸イオンを多量の鹽量イオンの共存に於て各々を定量する目的を以て本研究を行つた.
2. 鹽素酸イオンに對しては一定過剰量のMohr氏鹽を加へ,其の過剰量を硫酸第二セリウム標準液にて逆滴定する事によりて之を定量した.平均誤差=+0.24%.
3. 過鹽素酸イオンに對しては一定過剰量の鹽化第一チタンを加へ,其の過剰量を硫酸第二セリウム標準溶液にて逆滴定する事によりて之を定量した.平均誤差=+0.15%.
4. 之等両種のイオンが多量の鹽素イオンと共存する時には先づ鹽素酸イオンをMohr氏鹽の一定過剰を以て還元し此の過剰量を硫酸第二セリウム標準溶液にて逆滴定を行ふ.次で本溶液をアンモニヤ鹽基性となし生成する第二鐵及び第一セリウムの水酸化物を濾別し去し,濾液を酸性にしたる後一定過剰の鹽化第一チタンを加へて過鹽素酸イオンを還元したる後,過剰量の第一チタンを硫酸第二セリウム標準溶液を以て逆滴定する.此の時,鹽素酸鹽定量に關する平均誤差=+0.27%にして過鹽素酸鹽定量に關する平均誤差=+0.19%なるを示した.本分析を通じてすべて微量滴定操作を行つた.

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