1957 年 78 巻 8 号 p. 1117-1121
前報のテルペン炭化水素の酸化につづいて,第3ブチルクロメー一トによるdl一α一テルピネオールの酸化を行った。 酸化は,試料と無水クロム酸のmole比,反応温度,反応時間を異にした3種の条件下で行った。いずれの場合も収量には幾らかの相違はあるが,文献未記載の8一オキシピペリトンを見出したほか,8一オキシカルボタナセトン,ホモテルペニルメチルケトンおよび少量のアセトンの生成を認めた。sα 一テルピネオールは第3ブチルクロメートによって,2重結合のとなりのC(3)とC(6)位置の活性メチレン基がケトン基に酸化されるが,C(6)位置において著しい。同時に環内2重結合の開裂がおこり,この開裂は酸化条件の弱い場合でも,活性メチレン基が酸化される割合とほとんど同じである。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。