1957 年 78 巻 8 号 p. 1122-1126
前報のdl一α一テルピネオールの水酸基がアセトキシ基によって置き換えられたdl-α-テルピニルアセテートの第3ブチルクロメートによる酸化を行い比較検討した。酸化生成物としては,2重結合のとなりのC(6)とC(3)位置が酸化された8-アセトキシカルボタナセトンと8-アセトキシピペリトン(いずれも文献未記載)が,また環内2重結合の開裂をうけたホモテルペニルメチルケトン,および少量のアセトンが認められた。α-テルピニルアセテートは第3ブチルクロメートによって,α -テルピネオールの場合と同様,C(6)とC(3)位置の活性メチレン基がケトン基にまで酸化されるが,C(6)位置の酸化が特に顕著でC(3) 位置の酸化は著しく抑制される。また環内2重結合の開裂もα-テルピネールの場合と同じように生起するが,その程度ははなはだしく減少する。
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