1957 年 78 巻 8 号 p. 1171-1174
アセチレンとアニリンとの高温気相反応によりインドールの生成することは古くからしられている。しかしその反応機構に関しては研究されていない。著者は近時発展しつつあるアモチレン化学の一環としてこの反応の機構を解明することはまた同時にトリプトファン合成原料として重要なるインドール合成法の工業的進歩に役立つであろうことを期待してこの研究をおこなった。種々数多くの実験を重ねた結果,この反応が一般に予想されるような中間体を経る反応ではないことをたしかめた。そして,インドー一ルの生成温度が4000C以上であり,アセチレンの熱分解もまた4000Cにはじまり,インドールの生成が必ずアセチレンの熱分解にともなっておこることをたしかめた。したがってこのインドール生成反応はアゼチレンの熱分解によりできるある種のラジカルがインドール生成に直接関与する一種のラジカル反応であることを予想した
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