1957 年 78 巻 8 号 p. 1196-1200
無水グリシン,馬尿酸,フタリルグリシンのメタル置換を液安中の水酸化アルカリによって行い,引きつづき塩化ベンジルとの反応によってN一ベンジル化を試みた。馬尿酸アミドよりN一ベンジル馬尿酸アミドを得たが,フタリルグリシンアミドのばあいにはメタル置換にさいし開環し,さらに脱フタリルを起すため,ベンジル化の結果,N一ベンジルフタルイミドとN,NLジベンジルフタルイミドを得た。この両者では液安一水酸化アルカリと液安一アルカリアミドとを使用するベンジル化の結果が同じであった。無水グリシンでは液安一水酸化アルカリによるベンジル化が原料回収とモノベンジルアミンの生成に終った。これはアルカリ置換体が液安に不溶性なためであり,水酸化アルカリが液安中ではアルカリアミドと平衡状態にある,とする著者らの考えを支持する。
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