1957 年 78 巻 8 号 p. 1200-1204
本報では著者らがこれまで行ってきた分子エネルギー準位図法を用いて,一方に電子供与性の置換基X,一方に電子索引性の置換基Yをもつベンゼンニ置換体,X《=》Yについて,紫外部スペクトルの解析を行った。これらの化合物ではρ一誘導体では近紫外部に強い吸収帯が一つしか現われないのに,o,一誘導体では二つの吸収帯が現われる。この事実は,分子エネルギt一・・準・位図の考えをもとにして明瞭に説明され,定牲的にも定量的にも十分満足に説明を与えることができた。つぎにこれらの場合を例にして古くからいわれている発色団,助色団の説に対して,分子エネルギー準位図の立場から理論的根拠を与える。
この記事は最新の被引用情報を取得できません。