日本化學雜誌
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噴気孔ガスの放射性成分の供給源についての考察
鎌田 政明
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1961 年 82 巻 8 号 p. 1000-1005

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抄録

噴気孔ガス中のラドン,トロンの供給源として,マグマ,および噴気孔付近の地下比較的浅いところに存在する,ある厚さをもった供給帯の二つを一般的なものと考えた。マグマの位置が比較的深い場合には,地下比較的浅いところにある供給帯から由来するラドン,トロンが噴気孔ガスの放射性成分含有量を支配する。ラドンについていえば,供給帯のラジウム含有量が噴気孔ガスのラドン含有量をきめる要因の一つであることはいうまでもないが,そのほかに地下深所からくるガスがこの浅いところにある供給帯を通過するのに要する時間,通過後噴出するまでに要する時間,およびガスに接する供給帯の表面積の大きさが重要な要因であることを指摘した。
なお噴気孔ガスにともなって,あるいは付近に温泉の湧出があるときには,それらも含めて主成分(水のほか溶存成分)およびラドンの噴出量を考え,噴出直前までの流動体である噴出物中のラドンの濃度を推定する必要があることを強調した。

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