日本化學雜誌
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ミリアシンの酸化および転位反応
阿部 昭吉
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1961 年 82 巻 8 号 p. 1054-1057

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抄録

ミリアシンおよびミリアシンオキシドは,二酸化セレンによる酸化で mp253℃,[α]D-87.6℃ の化合物 C31H46O3 となる。この化合物は, β-アミリンまたはソイヤサポゲノールDを二酸化セレンにより酸化して得られた物質の紫外線吸収スペクトルに似た吸収を示すことから,=の部分構造を有すると考えられる。またミリアシンを塩化水素で処理し, mp189℃[α]D+41.2°の化合物 C31H52O を得た。さらにミリアシンは,ρ-トルエンスルホン酸または三フッ化ホウ素により, mp125℃[α]D+41.2°の化合物C30H48 となった。この化合物は過安息香酸により mp203℃,[α]D+73.5°の化合物C30H48O2 となり,酸化白金を触媒として水素添加すれば, mp96°~97℃ の化合物 C30H50 となった。またミリアシンオキシドは,塩化水素により mp210°~211℃,[α]D-63.0°の化合物 C31H50O となった。
以上の反応およびその反応による旋光度の変化を考察すると,ミリアシンはβ-アミリン-オレアナン系またはソイヤサポゲノールDのような構造を有し,その二重結合は Δ18:19 と推定された。

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